現代のブックメーカーは200年前に誕生した

「古代のスポーツベッティング」では、古代ギリシャの時代から親しまれてきたスポーツベッティングの古い歴史を解説しました。ここでは、アービトラージなどを含む現代のブックメーカー投資の元祖に焦点を当てたいと思います。

世界初のブックメーカーは18世紀のイギリスで興った

1795年、イギリスの首都ロンドンの北東部にあるニューマーケット競馬場で、ある男が駆け屋を開きました。イギリスでは昔も今も、競馬は紳士淑女の嗜みです。当時、「賭け事は競馬文化に適当でない」として反対の声もあったそうです。しかし、競馬の賭け屋は徐々に人気を獲得し、半世紀後には数百にも増えたと言います。

しかし、それを懸念したイギリス議会は1845年、競馬のギャンブルを禁止する法律を制定。イギリス議会の対応も虚しく、その後も違法な賭け事は続きました。

そこで、議会は1960年、賭博場運営をライセンス制にする方針を打ち出しました。ここから、数多くの賭け屋が再び運営されていくことになります。現存するイギリスの大手ブックメーカーのなかには、違法時代から約100年前後運営を続けているところもあります。

今日に至るまでに、競馬に加え、サッカーやバスケットボール、その他多くのスポーツが賭けの対象としてブックメーカーに追加されました。

ブックメーカーの取り扱いについては、国ごとに異なります。イギリスは上記の通り、ライセンス制です。一方、アメリカは一部を除き非合法、カナダでは公共運営のものに限り合法となっています。ブックメーカー日本については「スポーツベッティングは違法か合法か」の記事をご覧ください。